ふと会社員という身分が嫌になってしまった
会社員が人生で自由に使える時間は少ない
8時間+残業時間を10〜30/月だと、休みの日にちにもよるが1年に約60~65%も働いていることになる。
最低限生きるのに必要な時間(就寝、ご飯など)を除くと、興味あることを学んだり、趣味をしたり、ぼーっとしたり、友人と会ったり、ベットでゴロゴロしたりできる自由な時間は人生の35%しかない。
しかもその35%をキャリアアップやスキルアップの勉強に使う場合すらある。
社畜という言葉があるが、現代の社会人を実に上手く表現していると思う。私たちは自由なように見えるが、実際は会社や社会構造に縛られた偽の自由にすぎない。家畜も日中放牧されているがそれを自由と呼ぶだろうか? 柵で囲まれた空間を自由に動けるだけで本当の意味で外の世界を自由に移動できるわけではない、我々もそうである。
最近、牛にVRゴーグルで広大な草原の映像を見せると良質な牛乳が取れるという記事が注目されていた。社会人も同じだ。働けばお金がたくさん手に入り自由な生活が手に入るという幻想を見て一生労働に明け暮れるだけである。
通勤は無駄すぎる
昨日、通勤のため駅に向かったが事故のため電車が大幅に遅れており、コアタイムに間に合わないため急遽自宅に戻り在宅勤務に切り替えた。駅への移動と待ち時間を合わせると合計で1時間30分ほど時間を無駄に消費した。この時間は仕事時間にはカウントされないため、さらにここから定時(8時間)+残業でその日の自由時間は消滅した。
私に不備があって電車が遅れたわけではないのに、自分の貴重な自由時間がなくなるのは辛い。
でも、電車通勤しか選択肢のない底辺の私にはどうしようもない。もし私がお金持ちであったり自分で会社を経営していれば、電車なんか待たずタクシーに乗って時間を節約できていただろうし、会社近くのマンションに住んで電車とは無縁の生活ができただろうし、そもそも最初から自宅で働いて電車なんか無縁な生活を送れていたかもしれない。
出社してもオフィスの環境は悪く生産性は上がらない
まずは机の大きさ。机は狭い、膝を左右に広げると隣の人のデスクに当たってしまう広さだ。専門書を開きながら仕事することもあるが、隣の人の邪魔にならないよう気をつけないといけずストレスを感じる。
次にモニター。既存のモニターが壊れるまで(厳密には点灯しなくなるまで)使わなければ行けないルールなので、私が入社したときはwindows xpに付属していた解像度HD以下の黄ばんだモニターを渡された。ちなみに解像度も悪く目が耐えられなかったのでこっそり実験室のモニタと交換した。
また壊れるまで新しいディスプレイを買い足しできないので、当然デュアルディスプレイも難しい。大っぴらにデュアルディスプレイを使えるのは課長以上(少なくとも40歳以上)じゃないかな?
最後に騒音。集中できる環境ではない。先ほどの机が狭いという話にも繋がるが人がたくさんいるので、所々で会議の声や荷物のテープを剥がす音とかが聞こえる。研究職なので集中して計算をしたい時などあるが、非常にストレスを感じる。
ちなみに「中小企業だからじゃないの?」っと思った人。安心してください、私が勤めている企業は有名な大企業です。身バレ防止のために名前は出しませんが。世界初を作っている人達でも仕事環境なんてこの程度です、多分理解あるベンチャー企業の方が遥かに仕事環境は整っていると思います。こんな状態で生産性を上げて世界と戦おうとしています。
日本の大企業で働くということは上記に適合するということ
日本の一般的な企業に勤めるということは、先の内容に耐えながら30年〜40年働いて成果を出さないといけないということ。電車の遅延とか、煩わしい毎日の勤怠管理とかと一生付き合っていかなければいけないということ。「高性能なPCを使う」とか「静かなオフィスと広めのディスクで集中して働く」とか「自由に在宅勤務する」とかは願わず、「気合で生産性を上げろ」といわれることを意味する。
世の中はどんどん便利になっていくのにそれを利用できないのがもどかしい。
個人主義の時代になってきている
個人で活躍する時代になってきているのを感じる。
ITの進化に伴い面倒くさい作業を自動化できるようになった。例えば今の50代の人は若い頃手書きで図面を描いていたが、今や3D CADで簡単にモデリングして図面化までできる。今は公差を自分で入れているが、そのうち加工方法や公差も自動で設定してくれるようになるだろう。というよりも3Dプリンターが本格化すれば図面に起こす作業すら要らなくなる。量産品はまだ先の話だが、試作レベルならすぐそこまでそんな未来が来ている。
3D CADソフトも年間20万円くらいと個人で買えるくらい安くなっており、正直、機密保持の問題さえクリアできれば企業は外注したいだろうから、あと数年もすれば試作設計を副業としてフリーで請け負う設計者が多く出てきそうな感じがする。
またネットワークの進化によりリアルタイムで世界中の誰とでも繋がれるようになった。自分で作ったプロダクトを低コストで直接お客さんに届けれるようになった。むしろお客さんが勝手に自分の商品を探してくれることさえある。直接お客さんにプロダクトを届けられる方が利益率は高い。
これはフリーランスに限ったことではない。むしろ会社員として企業で働く私の方が強く感じている。会社にいても、他の人と知恵を出し合うというより、たった一人の天才が考えたアイデアの方が結局レベルが高いし役に立つ。小学生が10人集まっても東大に合格はできないが、頭のよい高校生は1人で東大に合格できる、それと同じ感じ。会社で働くと言っても結局一部の頭の良い人達が会社をひっぱていて、それ以外の人はお荷物という場合が多い。私もお荷物なのかもしれない。日本の解雇規制が厳しいからお荷物社員を切ることができないが、この先、国際競争力を失って解雇規制が緩まれば企業も人を切り一気に個人主義に切り替わると思う。
そんな時に、個人である程度案件を動かせる人、つまり誰かと協力しなくても1人である程度のことをこなせる人物の方が重宝される時代が来ているように感じる。